商売を覚える厨房

-手は早く、無駄を省き、工夫する―

「ホテルから独立した料理人は失敗する事が多い」

そう言われる理由は、ホテル特有の職場環境にあるのではないでしょうか。

大勢の料理人が各ポジションに分かれ、連携を取りながら作業する為の、広く、動線が整ったスマートな厨房。高級食材をふんだんに使い、最新調理機器が当たり前にそこにある。お客様の目を気にすることなく自身の仕事にじっくり集中できる。料理人にとって非常に恵まれた職場。もちろん、ホテルとはそういう場所であり、そうでなくてはいけません。

しかし、「独立開業」となると真逆の環境が待ち受けています。

見習いの仕事から料理長の仕事までを全て一人でしなければならない。

食材ロスなく、いかに売り切るかを意識しなければならない。

お客様やアルバイトにも気を配りながら調理しなければいけない。

それまでは気にせずに済んだ「ヒト・モノ・カネ」の問題が一度に圧し掛かってきます。

「料理を美味く作る」と「商売を上手く回す」は別物。

「商売感覚」は“感覚”というだけあって、料理のような“レシピ”は無く、なるべく若いうちに自分の体と頭で経験を積まなければ身につかない。もちろん、誰もが独立を目指すわけではありませんが、その感覚があるのと、ないのでは将来の収入が大きく変わります。

「商売感覚」なくして独立の成功はありません。

我々がプロデュースする「横丁」や「飲食街」の集合体ブランドでは、キッチンを共有することなく、店舗ごとに厨房を設けています。厨房を別にすることで、いい意味での競い合い、助け合いが生まれるからです。

効率重視の広い共同厨房ではなく、個人の裁量が必要な狭い厨房。

産直の食材を最高の鮮度で提供し続けられる厨房。「売り切れ」は希少価値。

『こんな狭い厨房で大丈夫なんですか?』

入社直後の料理人は必ず口にします。

無駄な空間、使わない道具、余分な食材は一切ない。手を伸ばせば全てに手が届く。まるでコックピット。全てを自分の頭と体で操縦しなければなりません。

一般の料理人であれば、ストレスを感じない者はいないでしょう。

しかし、環境が人を変えていきます。

知らぬ間に手は早くなり、

知らぬ間に工夫するようになり、

知らぬ間に無駄を省くようになります。

「ストレス」が「効率」を生み、やがて必要な事が分かってくる。

これが「商売感覚」です。

料理人が思い切り腕を振るい、専門料理を超えてチャレンジできる。

料理人にはこの厨房で大いに輝いて欲しいのです。

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